デュラララ!!
- 作者: 成田良悟,ヤスダスズヒト
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2004/04
- メディア: 文庫
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アニメが異常に面白いので購入。既にアニメは最新話まで見ているので、ほぼ内容は知っていたため、初見の読者的感想はもてなかった。今まではアニメからラノベに入ることは珍しかったので、新鮮な感覚。
まずアニメの方との比較。友人から既にオリジナル展開があるとは聞いていたけど、成る程結構原作に無いシーンがアニメにはあった。というか、原作のあるシーンを切り出して一つの話にまとめてしまったという方が正解か。順序が逆だったから、これが正しい感想なのかよく分からないけど、原作の雰囲気を壊さずにかつ細かい部分を掘り下げる手法は良いと思うし、改めて原作を見るときにも「ここはこうだったな」という発見があって良いと思う。
内容の話。なんというかまあ、非常に読みづらいと最初は思った。あとがきでもあったとおり、発売された当初ではこんなに文章破壊をしてるラノベも少なかった(あくまで少なかっただけで、凄いのは色々あったけど)ので、当時読んでたら投げてタカも知れない。チャットのシーンなどは、自分はアニメのイメージありきで読めたけど、映像無しで読むのはちょっとキツイ気もする。
話自体は良くも悪くも厨二病なテイストを纏いつつ、それでも現実に存在する池袋というイメージを上手く使った作品で、キャラは勿論のこと漂う空気感という物も非常に上手く意識した、面白い作品だった。「高校生がネットでヒーローになる」ってのは、もしかしたら「高校の文化祭でバンド」をやるのと同じくらいの価値が、今の世代にはあるのかも知れない。というか、自分が高校生の時は、少なからずそんな気持ちがあった。ブロードバンド人口が爆発的に増え始めてた時期だからこそあった感情だけど、成田良悟はその感覚を上手く捉えていたに違いない。
そして誠二のキャラ格好いいよな〜。リアル恋は盲目って、現実にはお目にかかれそうでお目にかかれないからこそ、本当に心のくすぐったいところを触ってくる。
全体で、どんどん加速する疾走感と、スッキリではないけど意外な爽快感が、とても良い作品。惜しむらくは、杏里の出番が非常に少ないことだ。そして原作絵の杏里ちゃんの私服可愛いです。
名言
「人生って何だ? 人は何の為に生きている? 俺はそう問いかけられて、そいつをまあ死ぬ寸前までぶん殴ってやったわけだ。ポエマーま女子中高生が言うならまだしも、二十歳を過ぎてヤクザになろうとしたけど小間使いがいやで逃げ出したような奴が言ったら、これはもう犯罪だろ」