とらドラ9!

とらドラ!〈9〉 (電撃文庫)

とらドラ!〈9〉 (電撃文庫)

 ちょっ、えええええええええ!? なにこのドロドロした展開!? あと何冊でもいくらでも引き延ばせそうなマリみて的展開! アニメ化したから巻数稼がなきゃいけないの!? そして単行本が薄ッ! ってかラブでコメってねぇよ、コメってるの恋ヶ窪だけだよ、あと春田殺す、ぜってー殺す!
 このラノベに出てくる奴ら、竜児と北村以外が性格悪すぎるよ! しかも性格悪いのに可愛いのばかちーだけだよ! 既にラブコメという看板に偽りありといえる一冊だった。青春的なドロドロならこれはこれで良いけども、この薄さでこのスピードで超絶なドロドロはやめて欲しい。読んでて気が滅入ってくる。話は大体が想像通りの方へ展開。ついでに大河の母登場。どうでもいい。竜児の母も無茶い。どうでもいい。あともっとどうでもいいけど、竜児の「大河が俺のことを好き」描写がしつこい。
 竜児と大河が進路で悩むのは、凄くありがちだけど大切な高校生の悩みをしっかりと描いてて、読んでて自分に突き刺さってくるくらい良かった。俺も大河みたいに進路希望表を紙ヒコーキにしてどっかに放り投げたかったな。まあ、俺は行けもしないレベルの高い大学を希望表に書いて浪人したけど。
 実乃梨の全力ダッシュしながら告白がこの巻の一番の見所かも知れない。全部を捨てて夢を見るっていう姿勢は格好良すぎるぜアニキだが、それにしたってその捨て方があまりにもあんまりで、周囲を悪い方向に巻き込みすぎ。既に三巻くらいまでのラブでコメってた雰囲気は跡形も無し。ばかちーもばかちーで、予想通りの悩みぶちかましてるけど、肝心の竜児をどう思ってるかには言及無し。まあ、ばかちーは可愛いから許す。
 竜児には反抗期が無かったらしい。なんて出来たお子様だ。しかし今になって反抗期爆発。ってか、間違いなく半分以上母が悪い。不幸すぎるだろ、竜児。
 というわけで、このラノベは間違いなく竜児を応援しながらばかちーを愛でるラノベです。マリみてと同じくらい、続きが出たら買うけど出来れば出ないで欲しい部類に頭突っ込み始めました。
 それにしても、あとがきと本編のテンションの差がやばい。

 名言
「私の幸せは、私が、この手で、この手だけで、掴み取るんだ! 私には何が幸せか、私以外の誰にも決めさせね――――――――――っ!」