村上式シンプル英語勉強法

 確かに、すっげえシンプル。ってか、基本全て力業。でもやっぱり、生きた言葉を習得するというのは、小手先のテクニックや、ましてや高校までの英語教育(場合によっては大学以降も)なんかじゃ身につかないんだなというのを改めて分からせてくれる興味深い一冊。
 内容は至ってシンプル。読む、覚える、聴く、書く、話すの五つの章に分けて、それぞれ何をすべきかをシンプルに解説してくれる。いずれの章も、こざかしいテクニックはほとんど使わずに、本当に力業で英語を鍛える方法が書いてある。ある意味で、立ち読みで済ましても良いかもしれないとか思ってみたり。
 内容が全力で力業のために、実際に村上式を実戦するにはそれなりの時間と覚悟が必要になることが分かる。筋肉を鍛える為に筋トレをするのと同じ(実際に本書では、英語を鍛えることを筋肉を鍛えるという表現で紹介している)で、日々の継続とけっこうな努力が必要になりそう。しかし、Google副社長なんていうすごい肩書きの人が、「これから先は英語が使えないと話にならない」というモノだから、危機感を感じちゃったりして、やっぱり英語頑張らなきゃと思える。ある意味啓蒙書としても良いかも。
 難点としては、やはり村上氏が京大卒ということもあり、どうもある程度の頭の良さが前提にされているような文章が、あんまり頭の良くない自分には少し(後ろ指を指されているようで)辛かった。英語に関しても、ある程度は出来ていて当然という前提の基に成り立っているような気がする(大学受験を経験した人にとってはあまり問題はない気がするけど、英語的素養が全くない人には少しどうなんだろうかと思う)。
 というわけで、急に実戦したり継続したりは出来るか分からないけど、ちょっとずつ英語のペーパーバッグも読みたいなぁ、なんて思ったり。(でも大好きなSFを禁じられるのは辛い)