泣空ヒツギの死者蘇生学

泣空ヒツギの死者蘇生学 (電撃文庫)

泣空ヒツギの死者蘇生学 (電撃文庫)

 思いっきりネタバレされた気分に
 某メロンブックスで、ヤンデレヒロインかわいいよと書いてあったので思わず購入。しかし、なんだかそのPOPに思いっきりネタバレされた気分に。
 ラノベにしては珍しく読みづらいです。無駄に重ねる修辞と、しょっちゅうブレる一人称(というか、誰の主観か分からない)、ラノベにしては珍しく少ない改行が、文字数を多くしている。文字数が多かったらラノベじゃないだとか、改行が少なかったらラノベじゃないとかいう心底くだらない振り分けはしないが、最初の何ページかを読んで思った感想は、あんまりラノベっぽくないなと。また、読みづらいのはもう最初の二ページから全開で、ちょっと読むのやめようかと思ったくらい。言ってしまえば、ほんとに単調。文章に無駄が多すぎる。
 話は面白かったです。ヤンデレヒロインが少々ぶっ飛び過ぎた気もするし、ラストバトルの終わり方もイマイチ納得いかないけど、それ以外は結構楽しめました。よくわからん登場をしてよくわからん死に方をするキャラもいたり、全体的に説明が足りてないんじゃないかと思う箇所もあったけど、脳内補完で楽しめということなんでしょう。
 久しぶりにクソ長い台詞も見た。昔流行った問い詰めコピペに匹敵とまではいかないけど、結構長い問い詰めでした。
 メインヒロインは、貧乳ロリのドS。サブヒロインは超病んでるドS幼なじみと、暴力金髪貧乳ロリのドS、嫉妬心バリバリでドSな巨乳褐色メイドもどき。どいつもこいつもドSってところ以外は最高です。むしろ、笹倉綾人氏のイラストのためだけに買っても良いくらい良いです。俺も半分くらいは表紙買いだしね。
 全体的にドS多めで主人公が悲しいくらいどうにもならん奴ですが、読みづらい文章を我慢して読もうと思える程には面白かったので、良かったと思います。これでデビュー作らしいので、もうすこしスマートな文章が書けるようになればと、とっても楽しみです。
 あと、故不院って名字はよく考えついたモノだと、賞賛に値すると思います。
 名言
「私に答えや助言を求められても、それは無理ですよ。ヒツギが何を考えているかわかっても、どうしたいかわかっても、どうすべきなんてわかりませんから。自分で考えて、自分で動いてください。私は過保護な放任主義なのです。可能性は無限に用意しますが、選択肢は一つたりとも与えません」