マリア様がみてる ハロー グッバイ

マリア様がみてる 33 ハローグッバイ (コバルト文庫)

マリア様がみてる 33 ハローグッバイ (コバルト文庫)

 完結したことを、心よりお祝い申し上げます。
 つ、遂に終わった……。自分がラノベにはまった切っ掛けの一つであり、随分長い間を一緒に過ごしてきたラノベが、ここで一つ終わったのを実感すると、何だか少しだけ寂しくなってきます。
 これまでさんざん「早く終わらせた方が良い」とか憎まれ口を叩いてきましたが、実際終わるとそれはそれで寂しいです。いや、実際に「早く終わった方が良い」はかなり本心なんですけれども、そういうことを言っているうちにかえって「こち亀」みたいに「マリみてって永遠に終わらないんじゃないだろうか?」みたいな疑念が心のどこかに湧いてきていた所だったので、祥子様の卒業という形で一応スッキリと終わったことはいいことだと思います。
 ストーリーは、正に祥子様の卒業式。先代薔薇様の卒業式が上下巻だったので、もしかしたら祥子様の卒業式も上下巻になるんじゃないかと思っていましたが、意外にも一冊で終わりました。それもかなりあっけなく。
 ラストの展開は、多分誰もが予想していたとおりの終わり方。というよりも、この終わりかた以上に上手に纏める方法なんて、作者としても読者としても思いつかないと思います。個人的な予想では、最後の一文まで完全に予想通りでした。
 先代薔薇様が結構大きく出てきたので、楽しめました。特に江利子様の出番がそこそこあったことに感動です。我らがデコの江利子様と、ガイジンの聖様のコントに仕方なく突っ込む蓉子様の図が非常に好きな自分は大満足でした。
 菜々が妹になるのは目に見えていたので特筆しませんが、まー黄薔薇は最後までルールブレイカーだな。令ちゃんは若干ヘタレの匂いが消えてましたが、どうも由乃だけはキャラクター的に好きになれないのは最後まで変わらず。
 なんやかんやで三十六冊出たようですが、全部律儀に買ったはいいものの本棚に入りません。更に、あとがきで「祥子&祐巳編が終わった」と書いてあったので、この先も「お釈迦様シリーズ」とか「祐巳瞳子編」とか始まったりするのかも知れません。正直、やめてほしいですが。買いますけどね。
 ライトノベルの歴史の中でも大きなポジションを占めているであろう「マリア様がみてる」が完結したことを、心よりお祝い申し上げます。

 名言
 そんな何気ない子羊たちの日常風景を、ほほえみながらマリア様が見てる