とある飛空士への恋歌
- 作者: 犬村小六,森沢晴行
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/02/19
- メディア: 文庫
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そしてまさかの、一冊完結ではなく、プロローグに一冊使うスタイル。去年は似たようなことを「ヴァルプルギスの後悔」で上遠野氏がやっていた時に「贅沢な単行本の使い方だな」と思ったけど、まさかガガガでそれをやるとは……贅沢、なのか?
ストーリーは、本当にプロローグを触っただけの話。だから、この一冊で面白いか面白くないかは、全く判断できない。ただ、ずっと胸の中にあった不安の反面、意外に楽しみなんじゃないかと思える。
人生の宿敵と恋におちるところで序章が終わる。そこまでならまあよくある展開かな、と思う。楽しみなのは、それがどんな解決を迎えるのか、作者の腕次第というところ。前作の「追憶」が傑作であった分、この「恋歌」の結末にも期待が掛かるところ。結末、というか落としどころが、カルエルとニナの立場からは全く予想出来ないから、余計に気になる。犬村氏が語った「ロミオとジュリエット」という比喩だけど、ロミジュリと違ってカルエルがニナのことを呪うがごとく恨んでいるというところが、どうやって話を結末に向かわせるのか、気になる。逆に、簡単に予想出来てしまう結末を書かれてしまったら、と思うとやっぱり不安なのだが、犬村氏を信じる。
ガ報で激しくネタバレされた気分に。「マザコンナルシストのロミオとジュリエットです」、とか犬村氏が書いていたモノだから、クレアが出てきた瞬間に「あ、ニナだ」とか条件反射で気づいてしまった。先にガ報を読むべきじゃなかったな……と真剣に後悔。読んでなかったら、ラストのニナの挿絵でゾクゾクきていたかもしれない。こればっかりは悔やんでも悔やみきれない。ちくしょう。
何はともあれ、この話は本当にまだ序章だけなので、続きを楽しみにしています。
名言
「ありがと、お父さん」