七夕ペンタゴンは恋にむかない
- 作者: 壱月龍一,轟そら
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/05/20
- メディア: 文庫
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主人公がバカなタイプの話は、特にラブストーリー系(ラブコメ除く)だと大嫌いだけれども、これはこれでまあアリかと思う。途中まではバカな主人公に対してむかっ腹立ってたけれど、最後に凄く成長したから、終わりよければ全て良し。
星形の互角関係になっちゃう話かと最初は思っていたけど、意外に正統派(というか、半ばお約束)のラブストーリーを久しぶりに読んだ感じが良かった。特に、安易に消えたヒロインが最後に復活しない当たりは高評価。ある意味で復活しない派の王道的終わり方だったけど、それもまあお約束って事で。
ホントに正統派一直線みたいなラブストーリーで、読んでいて胸がスッキリする感じの一冊。このところ脂っこい本ばっかり読んでいた気がするから、凄く気持ちよかった。適度な疾走感もあったり、思わずニヤリとする一幕もあったし、ああお約束な展開もあったし、俺が大好きな「主人公が最後はみっともなく駆けずり回って叫ぶ」要素もあったし、堅実に纏まった綺麗な一冊だと思う。万人にお勧めタイプのラノベかもしれない。
ただ、主人公がバカすぎる。いくら何でもバカすぎる。前半は読みながらイライラ募りまくり。けどまあ、最期の方になってくるとそれでも良いかと思えるペンタゴンマジック。
キャラ的に一番好きなのは、橙。クールでロマンチストって格好いい。そして鈴。モデル体型の敬語娘とか最高すぎる。基本的にどのキャラも、万人に好かれるタイプの基本に忠実なキャラ設定で、満足。
あとがきがなかったのが個人的に残念だけど、買って損は無い一冊かと思います。
名言
「私ね……みんなの優しさが灯す暖かさで、まるで低温やけどみたいにゆっくり自分の心が傷ついていくことに気づいたの。みんなの優しさに近づくのが……怖くなったの」