宇宙をかける少女 上巻

宇宙(そら)をかける少女〈上巻〉 (一迅社文庫)

宇宙(そら)をかける少女〈上巻〉 (一迅社文庫)

 ……ナミは? ナミはどうした? というのがまず人物紹介のページを見た感想。本編であれだけ大暴れしたナミの存在が無かったことになって……あれ? ナミ好きだったのにな。と思ったら、エピローグでちょっとだけナミが登場。そして下巻の人物紹介にナミの姿があったので一安心。
 一言で表すなら、面白く無いです。煮っ転がしは運転免許か何かを取るために退場してるし、我らがいつきちゃんとソルジャーウルは最初と最後しか出番がないし、アレイダさんはよく喋るけどあまり活躍しないし、獅子堂姉はあまり出てこないし、ほのかはザコ相手にちょこまかと戦う描写しか無いし(これは原作通りか)、黄金銃じゃなくてスターシルフそのものがレオパルドキャノンのキーになってるし。とまあ、原作と設定が違いすぎ、キャラクターに適切な見せ場を用意してあげられなさ過ぎと、原作の「なんだかなー」感を更に「なんだかなー」な感じにしたのが今作。正直、原作そのものが、あれだけ魅力的なキャラと設定を用意したのにもかかわらずズッコケてしまったけら、せめてノベルでは……と淡い期待を抱いたけどそんなことは無かったぜ。
 ただ秀逸なのが、レオパルドの声がノベルで読んでもきっちりルル山ボイスで再現される点。これはもう原作の大勝利だと思う。むしろ福山だけではなく、他のキャラもハッキリ声が浮かんでくる。だから、読む際に凄くイメージが定まってて読みやすい。だからといって面白いわけではないのだけど。
 原作と同じで、非常に消化不良で残念です。下巻で巻き返してくれることを期待。

 名言
「アイハブコントロール!」