ヴァルプルギスの後悔 Fire1.

 残念っちゃ残念

 遂に霧間凪も超人になってしまったか……。いや、俺はブギーポップシリーズとしずるさんシリーズしか読んでないので、あるいはとっくのとうに霧間凪は人外だったのかもしれないけど、なんか少し残念。
 良い意味でも悪い意味でも、ブギーポップシリーズにおいて霧間凪はフツーの人間だったはずだ。少なくとも、MPLSだとか合成人間だとか、ブギーポップでは無かった、あくまでフツーの人間で正義の味方をやってた霧間凪が、文字通り炎の魔女になってしまったというのは少しある意味で残念だった。ブギーポップシリーズにおいて、狂言回しまではいかなくとも大抵の作品に顔を出し、かつあくまで人間として悪と戦っていた霧間凪が本物の魔女になってしまっていたのは少しショックだった。ブギーポップや統和機構やMPLSじゃなく、普通の人間として悪と戦う霧間凪が少しは格好良く見えていたために、残念っちゃ残念。
 見所は、半裸の凪かなぁ……。なんか、緒方氏の趣向が変わったのかどうだかは知らないけど、今作の挿絵は何故かキャラが頬を赤らめている率が高い気がする。
 あと、所々でピート・ビートの名前が出てきたけれど、そろそろビートのディシプリンを読めという上遠野かメディアワークスの宣伝だろうか(いや、上遠野作品には様々な裏設定が存在しているのは知ってはいるけど、なんかそうとしか思えない)。
 名前だけでは、フォルテッシモやイナズマやヴァーミリオンハートが出てくる今作。もうそろそろブギーポップシリーズの設定すらあやふやな自分。アクシズの代替わりを予言している文章があったから、ジンクスショップよりは少し後の話になるのだろうか。オキシジェンも代替わりか。
 話としては、二人の魔女の戦争が始まる前奏というところだろうか、電撃文庫を一冊使って前奏とは、何とも豪華なことだ。けどまあ、上遠野ですから。
 この一冊だけでは判断できないので、以降の続刊に期待してます。

名言
「千年の妄執もここまでだ、亡霊よ――消滅しろ」