境界線上のホライゾンI (下)

 ホライゾンさんがSfっぽい
 凄い、凄すぎる。上巻の説明に終始する鬱憤が、この巻で存分に晴らされた。基本全ての登場人物に華を持たせてくれる最近の川上作品の例に漏れず、今作も非常に熱い、熱すぎる!
 新シリーズの第一巻、その下巻からいきなり700ページオーバーとかいう暴挙に出てくれたお陰で、通学時間しか本を読めない自分はまーったく読み終わらなくて、結局十日くらい掛かった気がする。だがそれがいい
 シロジロがイケメン過ぎる。なんなのあのチート性能とか思う間もなく、超格好いいバトルを繰り広げてくれる。そしてなにあのハイディとの熱々っぷりは。お前ちょっと体育館裏に来いよ、って感じだよ。返り討ちにされるけど。シロジロはマジで格好いい。金に汚い上に、ハイディの誕生日にも汚いとか、あああ。
 トーリと正純の相対が凄かった。本気で電車の中で、「そうくるか!?」と叫びそうだった自分が悲しい。まさか自分に出来ないから、正純にホライゾンを助ける理由を求めるなんて…… いやぁ、作中でキャラ達が大声張り上げて「ええええええ」だったけど、俺も「ええええええ」だったよ。超テンション上がった。
 そしてその後に来た正純と教皇の平行線。教皇マジ殺すとか思いつつ、貧乳の正純に改めて萌えた。トーリ、お前ちょっとその場所代われ。力尽くでも奪い取る。
 そして最高に熱い、ホライゾン奪還作戦。主力キャラそれぞれに大きな見せ場があって、大満足。中でも一番熱かったのは、やっぱり本田・二代 vs 立花・宗茂 戦かな。上巻の本田・忠勝 vs 立花・宗茂 戦の敵討ちという意味でも、二代可愛いよ二代という意味でもテンションクライマックス。最後の最後に、咆哮混じりの勝利宣言をする二代に思わず目頭が熱くなる。
 白黒の二人組のバトル描写は、少し分かりづらかったので評価しづらい。文字に俺の脳みそが追いつかなくて、一体何が起こってるのかサッパリ分からん。でも百合が良いって事は改めて分かった。
 ノリキ vs ガリレオ の闘いも良かった。というか、ノリキみたいな無口キャラが好きなんだな、俺。トーリとタッチしてすれ違う瞬間がテンション最高潮だった気もするけど、気にしない。
 そしてまさかの、ホライゾンさんがSfっぽい。予想はしてたけど、やっぱりフられやがった。過去の罪に殺される壁をああも簡単に破っちゃったお約束展開はちょっとアレだったけど、それまでのトーリとホライゾンの対話が切なくて、面白くて、鋭かった。この作品のテーマが、タイトルにある通り「境界線」と「平行線」の様なので、今後もきっとこんな感じの会話が楽しめるんだと思うと、しばらく死ねないなと思う。
 しかしですね、姉さん。さすがに塩を一瓶思いっきり一気したら、脱水症状でも起こして死ぬんじゃないでしょうか? ああ、そういえばエロい姉をすっかり忘れてたけど、うん、まあ、乳がデカイから守備範囲外です、はい。あ、でもネイトさんは超ストライク。あんまり乳はでかくないのかもしれないけど。
 下巻の途中で、タイトルと一緒にイメージイラストを挿入する手法は素敵すぎる。ある程度プレイした後で、タイトルが始まるゲームみたいでテンション上がりすぎて脳汁ドバドバ怖い。
 というわけで、ネイト・ミトツダイラの姉御の為に、続刊を超楽しみにしています!

 名言

「いろいろ言われるけどね? シロ君、私の誕生日に対しても超汚いんだよ?」
「――やっぱホライゾン救いに行くの、やめね?」
「じゃ、行こうか皆――頼りにしてるぜ?」
「俺がオマエらの不可能を受け止めてやる! だからオマエらは可能の力を持っていけ!」
「敵将、立花・宗茂……! 討ち取ったり……!」
『俺は、これから、いいか? こ・れ・か・ら、これからだ。これから俺は、ホライゾン、おオマエと一緒に世界を征服しに行く。末世を解放しながら、イチャイチャしながら、――俺のせいで奪われたオマエの全てを、俺が取り戻してやる』