灼熱のエスクード 3 I WILL CATCH U

灼熱のエスクード3  I WILL CATCH U (富士見ファンタジア文庫)

灼熱のエスクード3 I WILL CATCH U (富士見ファンタジア文庫)

 貴子潤一郎はもっと評価されるべき。こんなに面白いのに、各種ライトノベル系の本ではまーったく触れられもしない。
 前作の「LADY STARDUST」の終わり方に負けないくらいインパクトのある終わり方。正直、薫が使徒化するのは読めてたけど、それに関連するイベントとして恋愛成就とはおもわなんだ。というか、ラスト数ページが完全に官能小説と化しておりますが? 何故か巻を増す毎にエロくなっていきますが? 担当さんのテコ入れですか?
 薫が使徒化して、ロードと戦えるだけの力を得て、ついに待ちに待ったラストが次巻。もう待ちきれない。けどそれよりも、今作の一番の見所は、レイニーさんの過去話。レイニーさんが如何に戦い、グランマスターの牙を受けたか、そして向こうから帰ってきたかのレイニーサーガ。ページをめくって文字を追いかけるのをどう止めようか困るほどの面白さ。「MATERIAL GIRL」で少しレイニーさん株が下がっていたけど、今作で急上昇。か、な? なんだかよく分からない感じだけど、うーん……それくらいに「MATERIAL GIRL」でレイニーさんの放った言葉が、孤高の姫君の印象から遠すぎたのかなー、とか。
 挿絵がエロ分多すぎて、ちょっと電車の中とかバイト先の休憩室で読むのに困ったり。特に、妖々艶々のアロマ様の挿絵は、家に帰るまでのお楽しみにされてしまった……ともぞ先生、大好きです。今作はイラストのために買っても外れない素晴らしさ。でも本文も読みましょう。本文もなんか知りませんが、随分とエロ分増量中です。いや、ホントに。
 ストーリーも遂にクライマックスで、次巻完結。らしいです。なんとなく終わり方は読めちゃってるけど、それでも楽しみ。これで良い意味で期待を裏切ってくれたりしたら、最高。でもエスクードシリーズが完結したら、しばらく富士見ファンタジアの本を買う理由が無くなっちゃうなー。あるいは、厳しいと噂の新しい担当さんがすぐに新シリーズを始めさせてくれれば、ファンとしては嬉しかったり。
 そして貴子潤一郎はもっと評価されるべき。こんなに面白いのに、各種ライトノベル系の本ではまーったく触れられもしない。確かにライトノベルっぽく無いかも知れないけど、面白いんです。とりあえず、「12月のベロニカ」だけでも読んでください。エスクードはその後でも良いです。真木探偵も忘れずに。

 名言
 ――お願いだ、薫。私のことを忘れないでくれ。


 傑作のデビュー作も紹介。(と思ったら絶版らしいので、本屋さんで捜してください)

12月のベロニカ (富士見ファンタジア文庫)

12月のベロニカ (富士見ファンタジア文庫)