クラウン・フリント2 奇跡の歌を君に

クラウン・フリント 2 (ガガガ文庫)

クラウン・フリント 2 (ガガガ文庫)

 前作が面白かったので、迷うことなく購入。既刊程じゃないけど、面白い。
 面白い、が、しかし……前作に負けないくらい、主人公厨二病。いや、厨二病は悪いことではない。俺も嫌いでは無いどころかモノによっては好きなのだが……ちょっとこれは嫌いなタイプです。いやぁ、高校生が押井守作品のキャラみたいな喋り方するのはちょっと厳しいものがある。シ念のランク付けとかはまあ面白いんでいいんですが、うーん。
 今回は、掃滅機関の方の爆弾魔と戦ったりする話。爆弾魔が現れるまで随分と引っ張ってくれましたが、それくらいの方がワクワクしていいと思います。ステレオタイプの頭悪い戦闘バカキャラも出てきますが、個人的にそっちはどうでもいいです。爆弾魔対策は、成る程と思ったり。予想してた対処法と違ったけれど、自分が考えていた方法よりはそっちの方が良いなぁと、ちょっとやられた気分。
 話は相変わらず、上手く出来てると思います。展開の進み方も、主人公のスーパー厨二推理が炸裂する以外は自然に進むし、文章も上手いし、起承転結がハッキリしてるし、何より面白い。今回は伏線張りに力かけ過ぎちゃったり、カメラ用語の解説を頑張り過ぎちゃった様な気もしましたが、通して飽きません。カレンや夕顔のキャラもハッキリしてて好感が持てるし、楽しく読めます。ただ、ただ、どうしても主人公とその周囲の厨二病だけが妙に鼻についてしまって、うーん、うーんと俺の首を傾げさせてくれます。高校生に監視を付ける二つの機関って、ホントに高校生の妄想レベルだよなぁ……とか失礼なこと考えてみたり。
 あとがきが無くなってしまいました。既刊のあとがきがアレゲだったので、今回はどんな趣向を凝らしてくれるのかと思っていましたが、飽きたようです。
 あとは、考えすぎかも知れないけど、設定の端々にJOJOの匂いが感じられたり。吉良、爆弾魔、遠隔操作型、ランク付け……

 名言
『……なにその、古典的確率逓減発言』