とらドラ10!

とらドラ10! (電撃文庫)

とらドラ10! (電撃文庫)

 時間が無くてなかなか読み終わらないうちに、アニメが原作まで追いついてしまって、結構焦る。
 とらドラ最終刊です。アニメと連動してきっちり終わらせる事の出来るゆゆぽ先生のスケジュール管理能力は結構なモノだと思いますが、内容は何というか……最終刊にしては、ちょっと拍子抜け、という気もします。
 寒空ダイヴの辺りのテンションは凄く好きです。前の巻があんな感じで終わったので、それを跳ね返すが如くのアップテンポ展開が、やっぱりラブコメには必要だと思っていたので、楽しめました。今作は前作と違って全体的にローテンションに陥る展開も無く、通して気分が沈むような場面がなかったのは救いでしたが、ラブでコメではないよなぁ……
 実家に帰るまでがテンションの最高潮。そこまでの展開は、なんだか大河と竜児の関係もあってラブでコメってて楽しかったのに、そこから後はなんだかどうもモノローグだけで抽象的というか、重要なんじゃないか? と思う部分を割とすっ飛ばしてたりで、急展開の超速風呂敷畳みみたいな印象。
 大河が居なくなった後とか、その前の実家突撃辺りから何だか地の文で誤魔化し誤魔化しのように感じられてしまったのも、ちょっとだけ残念。特に、大河が何で戻ってきたのかとか、何で消えたのかとかのもっとちゃんとした説明が欲しかったです。あ、もしかしてスピンオフでやるのか? それってズルくね?
 ばかちーに何の救いもなかったのがまた残念。というか、結局ばかちーは美乃梨と友情を深め合っただけで終わってしまって、竜児関連に関しては何の進展も無かったのが残念で仕方ない。でもばかちー愛してる。
 とらドラ!シリーズの、最初のねじれた四角関係ラブコメ路線が非常に面白かったので読み続けてましたが、まさかこんなラストを迎えるとは、良くも悪くも予想外。最後の方はホントにラブでコメってなかったけど、こういう終わり方もある意味綺麗にまとめたのかな、と思えばそんなに悪くない気もしてきました。
 長編のシリーズが終わる瞬間に立ち会うのは色々と感慨深いですが、ゆゆぽ先生お疲れ様でした。というか、先生も007がお好きなんでしょうか、最高です。
 最後に、ばかちー好きだ!

 名言
「嫁にこい」