境界線上のホライゾン II上

 そりゃ600ページ越えがデフォの川上作品が、「だがそれがいい」なのは分かってるけど、にしてもちょっとやりすぎなんじゃないかなーと思う今日この頃。多分、書いてる本人はいつの間にかこのページ数になっちゃいましたって感じなんだろうが、読む方の負担も考えて欲しいかな。
 相変わらずハイスピードで頭のネジを射出し続けてる感じにテンションが高くて面白いのだけど、どーもやっぱり上巻は説明的な感じになってしまうのが残念で仕方ない。下巻になれば間違いなくハイテンションでハイスピードな川上節前回のアップテンポでセメントなバトルが読めるのだろうけど、そこまでの舞台装置というか伏線というか、とにかくバトルに入るまでが長い。長すぎる。ここ一ヶ月が異常に忙しかった事も相まって、一月でこの一冊しか読めなかった。どういうこっちゃ。
 今度はイギリスとバトルする話。相変わらずSfみたいなホライゾンと全裸はまあ放っておくとして、サブキャラたちが熱い。主にネイト・ミトツダイラの姐さんが。特に餌付けされてる辺りのネイトさんはやばかった。電車の中でニヤニヤしてる俺が気持ち悪い。そして真の主役は間違いなく正純だろってくらいの正純の格好良さとキャラの愛されっぷりも素晴らしい。正純可愛いよ正純。
 だがしかし、やっぱりどーにも全体的に説明調なのと、えらく登場人物が多いどころか多すぎるせいで、何が何やら。三征西班牙だけじゃなく、英国の新キャラも大量登場で、もう何が何やら。
 そして今回の出世頭である点蔵・クロスユナイトことモテない忍者が格好いい。いやあ、これは点蔵のサクセスストーリーフラグが立っているね。頑張れ忍者、そして死ね。一人で巨乳金髪美女を独り占めしやがって。
 新キャラの中では傷有りが圧倒的に株が高いけど、個人的にバルデス妹とシェイクスピアも好き。特に、シェイクスピアとネシンバラがどうなるのかは興味ある。厨二的意味で。バルデス妹は普通に可愛い。
 何はともあれ、全ては下巻にかかっているということです。下巻が楽しみ。例えそれが、1000ページ越えの「終わりのクロニクル七巻」を超えちゃったバカだとしても。どう考えても読む人のこと考えてねーよな、この作者。

 名言
「あれェ――? なんかキャッチボールの筈がバッティング練習になってね?」
「あ、白嬢の修理手配がやっぱりつかなくて内勤。シフト表、二人のままになってたかな? 今は皆と授業を受けつつ新作同人誌"帰ってネロ皇帝"描いてるんじゃないかな」
「ご、御免ミリアム! 余が悪いのは何となく解ったから、早く余とセックスしよう!」
「睨んでないと何回言ったら解るのですか。――一度目です」
「愚弟だけでも楽しいのに、人形のように可愛い妹が手で触れていい位置にいてくれるなんて、私の人生は上々すぎて毎日ストップ高更新中よ。だってよく考えて御覧なさい。世界を征服しようなんて馬鹿と、その権利を確かに持つセメント少女がいて、――私は姉よ。だとしたら将来的に世界で一番偉くなるのは誰?――それはつまり私でしょ?」
「――死刑、――デス!!」
「結局語尾が言いたいんだろ――!?」