宇宙をかける少女 下巻
- 作者: 矢立肇,瀬尾つかさ,芳住和之
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2009/08/20
- メディア: 文庫
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ナミ登場。が、設定がえらいことに……ナミ、アニメでもかなりテキトーな感じに扱われて、小説でもこの扱いとは。ナミ好きな自分としては憤りを隠せない! とりあえず、いつきちゃんは俺のとこに嫁に来るべきだ。
なんだか色々と設定がごっちゃになっちゃった感じのそらかけ小説版の下巻。上巻に比べて面白いことは面白いのだけど、やっぱりキャラが活かせてないなー、と感じる。単に制作陣の力不足だったのか、それともキャラが魅力的すぎて扱いきれなかったのかは知らないけれど、この設定でこのキャラなら本当にもっと面白いモノが作れただろうに……なんだか、非常にもったいない気がする。
アニメの時から思っていたけど、ネルヴァルってネルヴァリストの拉致以外には特に悪いことしてないんだよな、と思ったり。むしろ、心の底から人類を救おうとしている訳であって、ある意味で正義系ラスボスの王道をいっているキャラのハズ。それを真っ向否定する秋葉サイドがかえって悪役に見えてきて、なんだか途中からネルヴァルを応援してしまった。あと、下巻はレオパルドの影が非常に薄い。
ネルヴァル青年体は相変わらずイケメン過ぎる。そして、獅子堂神楽がなんか凄すぎる人物として描かれすぎていて、逆に興ざめするくらい。あー……ネルヴァルの50年に及ぶ孤独な戦いを描いたスピンオフとか出ないかな。
ナミの設定がかなーり変わっていたことに少し憤り。ナミは獅子堂家の四女だから可愛いわけであって、神楽の妹とかそういう設定は正直どうかと思う。あと、いつきちゃんの出番が壊滅的に少ない。秋葉の発言に敬語でツッコミを入れるだけのキャラに成り下がっている。よくない。いつきちゃんは、もっとやれば出来る子。
非常に良かったのは、月の裏側で秋葉とネルヴァルが再会するシーン。アレは良かった。本当に、なんだか涙腺緩みそうなくらい良かった。秋葉も、ネルヴァルも、本当に良いキャラだ。
宇宙かけ、設定はかなり面白いのだから、もっと面白く出来るはずなのにと、アニメから小説までかなり残念に思えてしまう作品群になってしまったことが、本当に悔やまれない。設定はこの上ないくらい面白い、本当に良い作品なのになぁ……
名言
「あなたに会いたかった。12年間ずっと、あの日のあなたの言葉を支えに生きてきました」