末代まで! LAP1 うらめしやガールズ

 久々にスニーカーと学園小説に大賞が出たと聞けば、まあ買わざるを得ないでしょう。いくら落ちぶれたといっても、やっぱりスニーカーと富士見ファンタジアの大賞には計り知れない価値があるわけです。
 が、大して面白く無かった。来月のシュガーダークがちょっとばかり心配になる感じの出来です。新人の一巻目だというのに既にサブタイトルがLAP1な時点で分かっていましたが、角川は大賞の威光をフルに使って、コンスタントに売れるシリーズ物を作ろうっていう腹なんですね。
 長い前振りが必要なのは分かるのだけど、いくら何でも最後の50ページに全部詰め込みすぎな気がします。というよりも、詰め込み切れてません。一体どの辺りが落としどころなのか、そもそもこの話をどんな風に終わらせようというのか、最後の50ページまで伝わってきません。何でそうなったかと思えば、まあきっと本来はすぱっと終わる話だったのが、続きが書きやすいように加筆したせいなんだろうな、と勘ぐってみたくなります。あと、ラストの勝負が薄いです。結果を一行で終わらせて、途中経過スッ飛ばしっていうのは個人的に嫌いです。
 ただ、いくらか斬新に感じるところもありました。まず、著者とイラストが同一人物。凄いのかどうかは分かりませんが、なんだか初めて見るような気がします。あとは、お岩さんや九尾のキャラが、いわゆる世間一般のイメージで語られている姿とかけ離れているのに、そこまで違和感が無いところ。これは素直に感心です。あとなにか一つ感心したポイントがあった気がしますが、忘れちゃいました。
 とにかく、個人的にはあまり面白くは無かった。つまらないわけではないのだけれど、どうしてもワクワク感が無かった。次はどうなるんだろう、次はどうなるんだろうとか思ったり、ひたすらにニヤニヤさせてくれるような求心力が無かった。それだけが残念です。
 妖怪やお化け関連は、ほうかご百物語でちょっとお腹いっぱいだったのかもしれない。

 名言
「……ヒフミヨイムナヤ・こにゃにゃちわ。祟れるものなら祟ってミソラシド……まさしく私はないよ連である」