僕とヤンデレの7つの約束

僕とヤンデレの7つの約束 (スーパーダッシュ文庫)

僕とヤンデレの7つの約束 (スーパーダッシュ文庫)

 くだらねー、そしてつまんねえ。キャラクターの記号を強調したキャラが如何につまらないかが如実に分かる。ツンデレとかヤンデレをキャラにするんじゃなくて、キャラがツンデレとかヤンデレであるべきだ。最初から「はい、ツンデレですよー、ヤンデレですよー」って作者からキャラを差し出されるんじゃなくて、出会ったキャラがツンデレだったとか、ヤンデレだったとか気付く方が面白い。そして話が短すぎるのにキャラが沢山出過ぎてて、話がすっ飛びすぎ。過程や方法なぞどうでもよいのだぁ状態の話の何が面白いのか。
 そもそもが、ツンデレとかヤンデレとかのキャラクタが既に間違った方向に固定化され過ぎていて、さらにそこからキャラのバリエションを増やそうとすることに間違いがある。野良ツンデレとかお笑いツンデレとか、舐めてんの? ってくらい意味が分からない。ツンデレってのはあくまでキャラクターの持っている性格から発生する一現象のハズであって、キャラそのものじゃないはずだ。それを無理にキャラに落とし込んで一般化を図った上で、バリエーションを付けてどうする。キャラクターというバリエーションに対して、そこからツンデレっていう属性が派生するはずだろう。過程と結果が逆になっている。キャラクターという過程があって、その結果がツンデレのハズなのに、ツンデレというキャラクターがあって、その結果が何になるのか。
 キャラクターの設定もさることながら、話がつまらなすぎる。本当に面白いと思って書いたのだろうか? お約束過ぎるっていうか、一冊丸々全部お約束みたいな展開で書かれても何も感じない。お約束が悪いわけじゃないけど、それはあくまでアクセントなりなんなりに使う物であって、一から十まで全部お約束だったら、それは別にあなたが書く必要無いんじゃないですか? ってくらい没個性な話が出来上がるだけ。それはもはや、同人誌だ。(同人誌が悪いって意味ではなく、活動するフィールドが違うって話)
 あと、何処の世界にモーニングスター持ってるメイドがいるんだよ。武器持ってるのは良いから、もっと真面目に手に入りそうなモノ選べばいいのに。
 久々にお金返して欲しいレベルの作品に出会った。

 名言
「はっ、惰弱な――女の方がよっぽど打たれ強い」