パラダイスロスト
- 作者: 三井雷太,緒方剛志
- 出版社/メーカー: 学習研究社
- 発売日: 2009/09/29
- メディア: 単行本
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超強い主人公のヒトミと、お姫様ヒロインの理沙の一日の冒険? というかなんというか、そんな感じ。理沙が超能力っぽい謎能力を持っている設定なんだけど、その根拠が全く無かった辺りが多少謎。話はなかなか王道を突っ走っているようで面白かった。綺麗な起承転結だったし、見え見えだったけどクライマックスの二段底の構造とかセオリーに忠実だった。安定して面白いと思う。
ただ何だか妙に気になって仕方なかったのが、バイクのエンジンをふかす音がカギ括弧の中に入っていたこと。というか、擬音系は全部カギ括弧の中に。エンジン音が「バルルーン」とか、拳銃の発砲音が「パーン」みたいな感じ。どっかのエロゲで似たような現象を見た気がするけど、これは良くないと思うな……。なんというか、とっても間抜けに見える。え? バイク喋ってんの? みたいな感想を抱きたくなってしまう。
オチとかもべたべただったけど、これも王道突っ走ってて良かったと思う。教科書型の良作という印象。不良をボコボコにして惚れられるというのも王道だし、死んだ人が生き返るのも王道だし、とにかく直線ど真ん中ストレートのエンターテイメント。良いと思う。ややキャラクターの内面描写が薄いと思ったけど、それは単に好みの差かと。
クスリやってるキャラが一名出てくるけど、その描写がなんだか妙に教科書的というか、薬物乱用の事例とかを丁寧に調べて書いたんじゃないかな、と思える様な著者の生真面目さもなんだか感じる。これに関して言えば、教科書的な描写はかえって面白く無いとは個人的に思うけど。
全体を通してひたすら直線。良い感じに突き抜けてくれそうな作品でした。次回作も期待。
名言
「あいつがどんなに強くたって……敵が悪魔だろうが、悪魔に取り憑かれた犯罪者だろうが……わたしがやらなきゃいけないことは、最初から決まってる」