あまがみエメンタール

あまがみエメンタール (一迅社文庫 み 3-1)

あまがみエメンタール (一迅社文庫 み 3-1)

 何となく帯に惹かれて購入。あとがきを読んで、リビングデッドファスナーロックの人と同一人物だと気付く。この人、守備範囲広すぎるだろ……
 面白かったです。途中のテンションの微妙さと、主人公の微妙にイラッとくるダウナー感やヒロインの成長しなささとか色々と気になるところはあったけど、トータルで充分楽しめた。どろぼうの名人よりも徹底して男キャラが排除された百合モノで、登場した男キャラは……もしかして、姿も見せたのは存在しないんじゃ? 話の端には何人か出てきてるけど、実際に現れた男キャラってゼロ? 徹底してるなーと思う。もっとも、どろぼうの名人と違ってこっちは完全に女子校の閉鎖環境の話だから、そこまで違和感無いのが救い。
 全編通して異常性癖の連中ばかっかりでもう何だかいたたまれないけど、たまにはこんなのも良いよねって感じのクレープみたいなラノベだった。主食にしたら間違いなく不健康だけど、たまに食べる甘くて体に悪い食べ物みたいに、定期的に欲しくなる感じのラノベ。主人公の家族関係とか、その他諸々の寄り道が多くて多少話は安定しない感があったけど、最終的にヒロインの家族関係がどうこうなって解決。なんか消化不良な感じもするし、若干持て余し気味というか、設定のために便利に使われた感のあるキャラが居たことも少し心残り。そして、ヒロインが陰口をたたかれる位で済んでいるいじめの軽さも微妙な感じ。詰めが甘いというか、もうちょっと拘れた感じの残る部分もあった気がする。
 ただまあ、出てくる人がほとんど百合百合してるから、読んでて楽しい。たまにはお腹いっぱい甘い物食べてみたいよね、って時に良いのかも。

 名言
「さ、召し上がれ」